海外で妊娠!?日本語が使える病院はあるの?日本と海外では医療体制も違うし、病院に行くのが怖い…など海外で医療を受けることに不安を抱えているかたも多くいると思います。最初はわたしもそうでした。しかし、知れば知るほど日本よりもいい所がいっぱいある海外の医療体制についてわたしの妊娠の実体験をもとに紹介していきたいと思います。
妊娠にいたるまでについても別記事でまとめていますので気になる方はぜひ読んでみてください。
妊娠検査薬陽性!まず何をする?
妊娠が発覚する流れとしては、生理が来ない→妊娠検査薬を使用する→陽性反応あり!
日本の場合には妊娠が発覚したらまず産婦人科の予約を取りますが、オーストラリアの場合にはまず産婦人科ではなくGP (General Practitioner)一般医に電話をして予約します。
わたしは妊娠検査薬を使用したのも早かったため妊娠5週目にGPを受診しました。妊娠に気がついたら早めに受診することをおすすめします。
日本では自分が受診したい科の病院を受診しますが、オーストラリアではまずGP(一般医)に受診する必要があります。GPが更に詳しい診察や検査が必要だと判断した場合、GPから専門の病院を紹介してもらえる二段階形式になっています。
わたしが住んでいるシドニーでは日本人スタッフが常駐しているクリニックがいくつかあるので、英語が不安でも日本語で対応してもらえるので安心して医療を受けることができます。
ちなみにわたしはシドニー中心街にある、PEC city clinicを受診しました。医師はオーストラリアの方ですが、受付には日本人女性がいるので日本語で対応してもらえます。診察時も必要であれば無料で通訳をお願いすることができるので不安に思うことがあっても日本語で解決できるので安心です。
GP受診時何をするの?
GPを受診して行うことは問診、血圧測定、尿検査、血液検査程度です。日本だと、初診時にエコーで子宮内に確実に着床しているかを確認しますがGPでエコー検査はしないので、この時点では妊娠確定かがわかりません。ただしGPから産科医への招待状を書いてもらわなくては産科を受診できない仕組みになっているのでGPを受診することに意味はあります。
この時にGPから複数の産科医を紹介してもらえるので家に帰ってから自分でその医師についてホームページなどを見て調べます。例えば女性の医師がいい、無痛分娩の経験が多いなど自分が合いそうな医師を探して、自分でその医師に電話もしくはメールで予約を取ります。残念ながらシドニーには日本語を話せる産科医はいないそうなので、英語が不安な方は通訳サービスを使用すると円滑に安心して受診できます。
医師と病院の選択
産科医を決める際に考えなければいけないことがあります。それは出産病院を私立病院にするのか公立病院にするのか?これは出産費用に大きく関わってくることなので重要です。
ここで不思議に思う方がいると思います。なぜ私立か公立を決めるの?その先生のクリニックでは出産できないの?と。日本の医療の感覚で考えると自然とそうなってしまうと思いますが(わたしも最初は混乱しました)、イメージは大きな病院にそれぞれの医師の部屋(事務所)があり、そこでそれぞれが診察しています。出産時や手術時などはその医師が属している病院で処置が行われるため、その医師がどの病院と提携しているかを確認して医師を決める必要があります。
わかりやすいようにわたしの実例をあげます。
わたしはMater(私立), North Shore Private(私立) and Royal North Shore Hospitals(公立)で出産を行なっています。どちらの病院がいいか選択してください。
Mater (私立)が家から一番近くて、病院もきれいなのでここにします。
上記のように医師とその医師が提携している病院の中から自分に合った病院を選択する必要があります。ここで、私立病院と公立病院がでてきましたが、違いについては次でお話していきます。
私立病院?公立病院?
前述した通り、オーストラリアでの出産では私立病院か公立病院を選ばなくてはなりません。この選択には加入している保険が大きく関わってきます。下では3パターンの保険に分けて説明していきます。その前にここからよく出てくるメディケアについて説明します。
メディケアとは
日本でいうところの国民健康保険です。オーストラリア市民が取得できる保険証のようなもの。
①永住権、パートナービザを取得しておりメディケアがある方
メディケアを取得していると歯科、眼科を除いたGPやがん検診などが無料で受診できます。もちろん妊娠、出産にかかる費用もメディケア対応の病院であれば全て無料になります!出産の場合は公立病院であれば出産、入院費用など全てが無料になりますが私立病院だと入院費用などが自己負担となってしまいます。
②駐在員、駐在員夫の帯同の方
駐在で来ている方々は種類は違えど必ず海外保険に加入しているはずですので、それぞれが加入する保険を使用します。会社によって違いますが、だいたいの場合は出産を含む医療費が全て無料になります。公立、私立に関わらず全て保険がカバーしてくれるので先払いする必要はあるかもしれませんが後に100%返金されるので実質タダ。
わたしの場合はここに当てはまるので妊娠に関わる全ての医療費は無料になりましたし、私立、公立もお金で気にする必要がないので私立病院を選びました。
※会社によって加入している保険が違うので、保険会社に確認する必要あり
③ワーホリ、学生ビザの方
だいたいの方は海外旅行保険に加入していると思いますが、妊娠、出産費用はカバー内容に含まれていることはないので全額自己負担になります。
日本だと妊娠に関連する費用は保険適応外、すべて自己負担になってしまうのでオーストラリアの医療は国民のお財布に優しいですね。
上記のように加入する保険が違うことで、経済面で私立か公立どちらを選ぶべきか分かりやすいと思います。①だったら公立病院を選べば無料で出産できますし、②であれば費用気にせず好きな病院を選択できますね。
私立病院と公立病院のちがいはほとんどありません。公立でもきれいな施設の病院が多いですし、値段も大きく変わらないようです。ただ唯一私立病院の方が、個室が充実しているため旦那の寝泊まりの融通がききやすいようです。しかし公立病院でも旦那の付き添い、寝泊まりは可能なので、私立公立の大きな差はないといえます。
いよいよ産科医の妊婦検診
前述したプロセスをたどり、自分が受診したい産科医を決めたらいよいよ妊婦検診です。と、言いたいところですが、妊婦検診の方法も少し日本とは違います。
オーストラリアではかかりつけの産科医ではなく、エコー専門の医師と超音波検査士(Sonographer)が常駐するエコー専門施設へ行ってエコーを受ける必要があります。産科とは別な場所に行かないといけないのが少々面倒ですが、詳しく診てもらえるので安心できます。
- STEP1
妊娠4〜7週妊娠検査薬でセルフチェック妊娠反応陽性を確認する
- STEP2
妊娠4〜7週GPを受診・産科医への紹介状をもらう
・自分が受診したい産科医を見つけて予約をとる
・妊娠の確定診断をするためのエコー検査の処方箋をもらう(わたしはGPからもらいましたが、先に産科医を受診して産科医からもらうパターンもあるようです。) - STEP3
妊娠7週エコー専門病院にてエコー(Dating scan) ※以下青字はエコー専門病院で行う検査胎児心拍の確認や正常な位置に着床しているかなどの確認
- STEP4
妊娠9週産科医初診・Dating scanの結果を産科医が確認する
・採血や採尿、医師による簡単なエコーなど一般的な妊婦検診を行う
※ここから妊婦検診は5週に1回のペースで行われます。 - STEP5
妊娠10週Harmony test通常のエコー検査+ダウン症などの染色体異常がないか確認する採血
- STEP5
妊娠12〜13週Nuchal serum screenning胎児の成長を細かく確認してダウン症などの異常がないか、ひとつひとつの臓器のサイズや位置、血流などあらゆる部分を細かく検査する
- STEP6
妊娠18〜19週Morphology Scan胎児の成長具合を細かく確認
上記がわたしの場合の妊娠発覚から検診までの流れです。行く病院によって順番などは違うと思いますが、だいたいはこのような流れで検診が進んでいきます。日本ではまだあまり浸透していない出生前診断もオーストラリアでは必ず行います。日本よりも安価で行えますし、当たり前の検査になっています。
オーストラリアの医師に出生前診断が当たり前ではないことを伝えると驚いていましたし、オーストラリアではもうほとんどダウン症などの染色体異常を抱えて出生している子はいないとのことでした。
さいごに
国が違うと診察の仕方や考え方が大きく違うことがわかりますね。オーストラリアでは日本より胎児の障害に敏感なので出生前診断が当たり前になっていますし、安価で行えるので私的にはオーストラリアで初期の検査を行えてよかったと思います。英語での診察になるため日本で診察するよりも不安は大きくなってしまいますが、多国籍国家であるオーストラリアでは英語が第二言語という人がたくさんいるので医師や病院スタッフが優しく対応してくれます。私の感想としては、日本よりオーストラリアの方がいいかも!?とまで思ってしまいました。
とにかく私が伝えたかったのは、オーストラリアで妊娠しても安心して医療を受けることができるということです。